大きくておいしい新高梨の産地、高知県針木を訪ねて
- ナシ
日本の秋のフルーツといえば「ナシ」。日本では和梨(asian pears)と呼ばれる種類のナシが多く流通しています。サクサクとした歯触りとたっぷりの果汁が人気の理由です。
和梨には「幸水(こうすい)」「新高梨(にいたかなし)」「二十世紀(にじっせいきなし)」などが特に人気の品種となっています。
なかでも最近、ブランドナシとして人気が高いのが、高知県針木(はりぎ)産の新高梨。「ナシの王様」とも呼ばれる新高梨の魅力の秘密に迫ります。
おいしい「新高梨」発祥の地。高知県の針木
和梨の人気品種のひとつ「新高梨」は、高知県が発祥。高知市針木(はりぎ)は、1930年から栽培を始めた、まさに新高梨発祥の地です。
このエリアは、昼間は太平洋からの暖かい風が吹き、夜は仁淀川(によどがわ)からの涼風が吹きます。
この寒暖の差が、ナシをおいしく成長させるポイント。また、長年培われてきた栽培技術も加わり、針木は日本でも有数のナシの産地となりました。
針木産の新高梨の新ブランド「まるはり」
針木産の新高梨は、おいしさはもちろん、その大きさも人気の理由となっています。一般的な和梨は1個300~500グラム程度ですが、針木産新高梨は700~1kgと2倍以上の大きさです。
「大きいとおいしさに欠ける」と思われがちですが、針木産の新高梨は大きければ大きいほどナシ本来の味が引きだされるとされています。
シャリっと軽い歯触り、甘味が強く果汁は多くジュースのよう。まさに「ナシの王様」にふさわしいおいしさをもつ品種なんです。
高知市の針木梨組合は、地元産の新高梨を2006年からブランド新高梨「まるはり」として、東京や大阪で販売を開始しました。
主な販売チャネルは大手百貨店。直販やリピーターも着実に増え、「まるはり」のファンは全国に広まりつつあります。
「フルーツセレクタ―」で糖度13を保証
「まるはり」認定には、厳しい基準を設けています。1個の重量は1kg以上。糖度は13以上としています。
糖度保証には株式会社クボタが開発した「フルーツセレクター」を使用。酸度、重量を測定することができるため、数値に裏付けされた品質でまるはりを出荷しています。
「フルーツセレクタ―」の詳しい説明については、「日本の果物の甘さの秘密がここに! 「フルーツセレクター」の魅力に迫る」の記事を参照ください。
基準はほかにもあります。
まるはりには樹齢20年以上の木から収穫した果実でないと、認定することができません。
最終選別は、栽培歴20年以上の経験をもつ「新高梨マイスター」が行うという徹底ぶり。新高梨マイスターが外観や硬さなどを審査して、合格したものだけが晴れて「まるはり」として販売されるのです。
おいしいナシの見分け方
梨を手に取ってみて、適度に硬さがあるのがおいしいナシです。軽くたたいてみて、音を聞くのも見分けるポイントです。
反響音があるものは、梨の中に水分がしっかり詰まっている証拠なので、おいしい梨といえます。逆に、叩くと軽い音がするものは水分が抜けてスカスカした状態の可能性があるため、オススメできません。
生産者よりメッセージ
針木の新高梨は、100年の歴史を誇る伝統的な農産品です。信用と信頼を積みかさねてきたおいしい梨を、ぜひ高知に来て味わってみてください。
品質に対して、手間暇をかけて育てるのはあたりまえです。機械や技術を駆使して、安定した品質のおいしい新高梨を皆さんにお届けしたいと思います。
針木の新高梨は10月が最盛期です。日本をはじめ世界中のお客様が、針木にいらっしゃるのをお待ちしています。